魔王城 - 【SS】The Longest Day
『こちら皇都。占領地区の皆さんへメッセージを送ります』

6月5日

ホモコースト中 UNEI軍占領下のクッキー王国☆──

必死に逃げる男とそれを追うUNEI軍の車。追いつかれ、男は撃ち殺されてしまった。男は何か重要な書類を持っていたらしく、UNEI軍の兵士は車から降りてそれを奪い、再び車で走り去っていった。

馬にまたがるUNEI軍の兵士。何かの詰まった缶をいくつか馬に吊るしている。そして近くの窓が開き。
「あれをごらんよ。UNEI軍の誇りだね。毎朝コーヒーを運ぶ軍曹さん」
こうしていつもと同じように1日が始まった。

〜クッキー王国☆首都〜
行進するUNEI軍の兵士達、そしてそれを観覧するUNEI軍の将官。将官達の中にはUNEI軍西部方面司令官の姿もあった。

〜UNEI軍検問所〜
荷馬車が2人の兵士の検問を受けていた。そしてそこを通りかかる自転車に乗った女性。レジスタンスの一人である。女性に気を引かれた兵士達は荷馬車そっちのけで検問をしている。荷馬車の主人は兵士に賄賂を渡し、出発した。
「何をしている」
上官の声を聞いた兵士は慌てて通常通りに検査し、行かせた。
荷馬車の主人と顔を見合わせて笑う女性。荷馬車の中にはレジスタンス達が大勢乗っていた。

〜クチマンジー海岸、要塞〜
楽しげに犬と戯れるUNEI軍の大佐。
犬も心の底から楽しんでいるようだ。

要塞のコンクリート壁の上では、UNEI軍元帥への報告が行われていた。
「地雷はいくつ敷設できた?」
「400万個です」
「足りんな、600万はやれ」
「しかし、守備隊は疲労しきってます」
「無防備で死ぬか万全の態勢で生き残るかだ、必ず600万準備しろ。この海の向こうにはそれだけの怪物がいるのだからな。無数の航空機に無数の艦艇、無数の軍隊だ。奴らは虎視眈々と上陸の機会を狙っとる。上陸作戦が発動された日は、我々にとってもレ淫棒同盟にとっても最も長い日になるぞ」



〜クッキー王国☆首都、UNEI軍司令部〜
ここではUNEI軍情報部による暗号解読が進められていた。
「また俳句か」
『こちら皇都。占領地区の皆さんへメッセージを送ります。《やだ怖い やめて下さい アイアンマン》、繰り返します、《やだ怖い やめて下さい アイアンマン》…』
「まだ来ないか…」
「実行の際の俳句はどういう内容だ?」
「『夏コミに スティックナンバー 見に行こうな』だ。この暗号が通達されてから24時間以内に奴らは上陸する」